導入事例

秋芳鉱業株式会社 様(住友大阪セメント株式会社 グループ)

鉱山での発破振動の計測に無線式 振動計測システムを採用

石灰石鉱山で、採掘の際に行う発破によって生じる振動を遠隔監視するため、ソナスの無線式 振動計測システム(NETIS登録番号:KT-230117)をご採用頂きました。

01. 導入前の課題

発破の前後に坑内設備へ行き来する計測業務が負担

秋芳鉱業株式会社様では、地上で採掘した原石を”立坑”と呼ばれる縦穴で地下に搬送し、鉱山地下の坑内設備で適当なサイズに破砕しています。これまで、石灰石の採掘時に行う発破により、坑内設備の健全性に影響が無いことを、ポータブル振動計を使って計測しておりました。しかし、ポータブル振動計は、発破の前後に設置・回収をしなければならず、1回の発破で坑内を合計6 km行き来しなければなりませんでした。振動計設置箇所までには一部急傾斜の階段の昇降もあるため、この業務が大きな負担となっていました。
このため、秋芳鉱山では振動の遠隔監視システム導入を検討しておりました。有線式の遠隔監視システムは、距離が長く入り組んでいるうえ、扉や階段もある坑内に配線を敷設することは困難であり、導入コストも高くなります。また、一般的な無線式振動計では、このような長く入り組んだ坑道では無線は届きません。

02. 選定の理由

UNISONetのマルチホップ通信が解決。電源不要で設置もかんたん。

ソナスの無線式 振動計測システムに搭載された独自のメッシュ無線UNISONetは、中継機を用いることで最大20kmの通信が可能です。そのため、高層、地下、トンネル内などのLTE圏外でも、広範囲な遠隔監視を実現します。また、UNISONetの優れた省電力性により、高頻度計測においても、子機である振動計および中継機は電池で約1年間駆動します。親機であるゲートウェイは、電源が取れて、LTEサービス圏内である坑口に置いておけます。システム全体で見ると配線は、ゲートウェイの電源ケーブルだけで、その他の配線は不要で、長く入り組んだ坑内の振動もワイヤレスで遠隔監視が可能です。これらの理由から、低コストで簡単に遠隔監視を実現できるソナスの無線式 振動計測システムを本現場でご採用頂きました。

03. 導入の効果

ワイヤレスによる簡単設置と低コストで地下坑道の遠隔監視を実現。人力による計測業務を大幅に削減。

前述の通り、坑内は長く入り組んでいるため、一般的な無線は使えません。しかし、世界初のIoT無線であるUNISONetのマルチホップ通信は、バケツリレー方式でデータを遠くまで転送することができるので、このような環境でも遠隔監視を実現することができました。中継機も電池式なので、必要な場所に設置するだけで使用可能です。
また、UNISONetは、ネットワークに参加するユニット間の全リンクを使用し、通信ルートの構築を一切行うことなくシームレスに通信を構築・維持します。そのため、ネットワークの構築に関わる作業は、機器を設置しスイッチを入れるだけです。無線に特別な知識のない方でもかんたんに遠隔監視を実現できました。
ソナスの無線式振動計システム導入により、従来大きな負担となっていた、発破振動計測の業務を大幅に削減することができました。