導入事例

三井住友建設株式会社 様

軍艦島を対象とした構造物モニタリングの実証実験

インフラ構造物の維持管理の課題を解決するため低コストでモニタリング可能な無線振動計測システムの開発を進めてこられた三井住友建設様にsonas x01を導入いただきました。

01. 導入前の課題

RC造構造物の老朽化の状態を調べるため軍艦島での実証実験を実施

近年、橋梁をはじめとするインフラ構造物の老朽化が進み、維持管理コストの財政負担や点検技術者の不足が問題となっています。

こうした課題に対して三井住友建設様は、構造物の効率的な監視が可能な無線モニタリングシステムの開発を進めてこられ、sonas x01を採用いただきました。橋梁での常設型モニタリングに加え、日本最古の高層RC造住宅であり、損傷が著しく進む、長崎県端島(通称:軍艦島)の30号棟でもモニタリングを開始しています。

橋梁に加え、ビル等の建築構造物においても、特に地震発生直後などに構造物の健全性を迅速に診断する仕組みが求められています。これに向けて、三井住友建設様と共同で、日本最古の高層RC造住宅であり、損傷が著しく進む、長崎県端島(通称:軍艦島)の30号棟にシステムを適用し、モニタリングを開始しました。

02. 選定の理由

多点時刻同期且つロスレス収集が評価され採用

構造物の振動モニタリングでは、得られたデータの解析のために、多点で時刻の同期が取れた加速度値を取得し、データロスなく収集することが必須要件となります。UNISONetはマルチホップ通信でありながら、これらの要件を同時に満たす画期的な無線通信方式であり、今回も低コストでのシステム構築に大きく貢献しました。また、建物の一部倒壊により電波環境が変化することが考えられますが、UNISONetではこのような状況下でも安定した通信を継続することが可能です。

設置対象は、倒壊の危険性が高くシステムメンテナンスの機会が限られます。ソナスでは、センサのケーシングやデバイス選定などのハードウェア設計、UNISONetでのネットワーク構築、データのクラウドへのアップロードを一貫して支援し、長期安定性のあるシステムを構築しました。

03. 導入の効果

損傷の激しい構造物の多点で計測し遠隔監視可能に

今回の取り組みで、30号棟の振動を多点で取得し、遠隔から常時監視することが可能となりました。三井住友建設様は、今後もモニタリングを継続し、得られたデータの分析、さらには損傷判定システムの開発を進められるとのことです。また、ソナスでは、今後の他の構造物へのシステム適用においても、支援・連携を強化してまいります。